Feature & Repertoire

ダイナミック そして 繊細に

特 徴

・バラタナティヤムは大きく分けると、ヌリッタという純粋舞踊と、ヌリットゥヤという感情表現という2つの要素で構成されています。
・舞踊の特徴は腰を低く構えることが基本です。大地に根差すようなしっかり安定した下半身でステップを刻みます。全体の印象は直線的なフォルム、シンメトリー/左右対称的なムーブメントが多く、体のコアを美しく保ちながら四肢をあらゆる方向に動かします。フットワークはダイナミックにステップユニットを組み合わせ構成されています。

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・感情表現は「アビナヤ」といわれ、手の型(ハスタ)やトルソを使い分け、情感のニュアンスを繊細かつデリケートに表します。喜怒哀楽、恋情、驚き、嫌悪、恐れ等・・・インド
の神々への敬慕や信愛表現(バクティ)を軸にした演劇的な演出が盛り込まれています。
・ ソロ舞踊が主ですが、「モノ」や「コト」、主客が入れ替わる場面展開を繰り広げて、登場する神々や人物キャラクター、ヒロインの男性的な側面、あるいはヒーローの女性的な情感の振幅を表現します。こうした所作を演じ分け、言葉を話すように体全体を駆使してダイナミックなステップを含めて繊細なムーブメントがかたちづくられています。
・伴奏であるオーケストラは、南インド古典音楽(カルナーティック音楽)です。舞台下手にミュージシャンが座ります。その構成は、両面太鼓(ムリダンガム)、ボーカル、リズムを刻む鉦(ナットワンガム)、ヴァイオリンやヴィーナ―、木管フルート等です。美しい旋律(ラーガ)や構築的なリズム(ターラ)に導かれて踊ります。

 

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演 目

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・バラタナティヤムの演目・アイテムはステップ中心の抽象的表現ものから、インド神話物語と神々のエピソードを演劇的に表現する演目までと多岐にわたります。
・インド三大神といわれるシヴァ神、ビシュヌ神、ブラフマー神やその眷属(けんぞく)、神妃、様々な女神やアスラ(敵対する魔族)などが登場する演目が中心です。
・壮大な叙事詩『ラーマーヤナ』『マハー・バーラタ』などをモチーフとした演目、シャンガム時代(BC5~AD3世紀頃)の南インドタミル古典文学、サンスクリット語の詞章による詩歌、バクティ・スピリット溢れる詩聖の作品などが題材となり振りつけられます。
・近年では古典をアレンジした舞踊作品や、テーマ性のある創作作品もあります。基本的に女性のソロ舞踊が中心ですが男性のソロ舞踊やグループ構成の群舞もあります。